昨年の大晦日。
古社巡礼納めに毎週のように通っている奈良に向かった。
当日の目的地は近鉄田原本駅。

いつになく寒い日だった。
我が家から名古屋駅まで自走して近鉄名古屋駅前で輪行。
地下にある駅で急行の到着を待った。

伊勢中川行き急行に乗り込み無事に自転車を固定して座席に座り新聞を広げた。
市場での仕事がない日は午前四時半に起きて配達されたばかりの新聞を読む。
淹れたてのコーヒーを飲みながら新聞を読むのがここ数年の習慣になった。
電車であっても日ごろの習慣は欠かせない。

弥富を過ぎ木曽三川を渡ったころだろうか。
ふと顔を上げると窓の外は真っ白だった。
一面の雪景色。
この調子だと奈良でFATBIKEの雪上ライドを楽しめるかもしれない。
微かな期待が胸にわいた。

しかし伊賀の山中まで見られた雪は奈良に入ると次第に消えていき、乗り換えの大和八木に着いたころには雪とは無縁の風景が広がっていた。
近江以来の雪上ライドはお預けである。

田原本駅で自転車を組み立てスタート。
鏡作伊多神社を皮切りに九社の神社を回った。
計画していた神社を予定通り回れたのは嬉しいことだけど、とにかくその日は寒かった。
ハンドルを握るときはごっつい手袋をはめるが、神社に到着すれば素手。
参拝後は境内を歩いてメモをするのだけど、その日はシャープペンシルを持つ手がすでに血の気を失い白くなっていた。
スーパーで急きょ買ったカイロも効き目が薄い。
吹きっさらしの境内では立っても座っても寒風にさらされ、遠慮なく首回りや手を冷やす。
そのときのメモを見るといつもより書くボリュームが少ないし、文中には「とにかく寒い」の文字。
目を通すだけで寒空の下をよく走ったもんだと感心した。

末端冷え性で毎年ひどいしもやけに悩まされている。
寒さがひどい日には指の第三関節以上がすべて真っ白になることも珍しくない。
そうなったらペンを握り文字を書くにも難儀する。

でも代わりになるような意外な方法を、偶然に読んだ本から学んだ。
スマートフォンの音声入力。
読んでいるときは何とも思わなかったけど、じつは冷え性の僕こそ試すべきことではないか。
早速、スマートフォン用のマイクを購入、試しに前回のメモを読み上げた。
音声入力初体験。
マイクに向かって言葉を発するとたちどころに音声が文字に変換される。
すばらしいの一言だが、よく見ると誤字が多い。
とくに漢字、同音異義語に間違いが多く感じた。
「参拝」が「三杯」になったりするのはご愛敬。
日本語音声入力自体が発展途上なのだろう。

それでも入力した全体に目を通すと、何とか意味はつかめるかなというレベル。
由緒などにある年号や重要単語はメモをする必要があるが、いったん入力しておき、あとで手直しすればこと足りるのでは。

現場投入は明日、三連休の最終日。
愛知県に緊急事態宣言が発出されなければ出かける予定である。
使ってみての感想は後日、報告したい。